奈良ロータリークラブ

奈良ロータリークラブ

会長あいさつ

大安寺貫主 河野良文

2023-24年度
奈良ロータリークラブ

河野 良文 会長

奉仕への思いを高く次世代へ 和して流れず楽しくロータリー

3年余にわたるコロナ禍もようやく収束に向かい、感染症法上の位置づけも第5類となり行動制限やマスク着用などが大幅に緩和されました。奈良にも海外の旅行客が目立ち始め、日常が戻りつつあります。一方、ロシアによるウクライナ侵攻や新たなる紛争など、世界の混乱は収まる気配がありません。大きな社会不安や困難の中で、ロータリークラブの世界的視野に立った奉仕や、地域に根差した活動が更に重要性を増しているように思います。

 

昭和27年に奈良RCが設立されて以来、多くの先輩諸氏の奉仕の精神によって、様々な活動がなされてきました。そして、お互いの親睦を深めると共に、人格の陶冶や職業に基づく社会貢献をなし、ロータリアンとしての矜持のもとに奈良クラブの伝統と格式が培われてきました。この精神を引き継ぎ、未来につなげることが大切だと思います。とはいえ、時宜に応じたクラブ運営や活動のあり方、変革もまた必要です。そして常にその根底にあるのは、自己研鑽と「他のために」という奉仕の精神であることに違いありません。

 

ゴードン・マッキナリーRI会長は、「破壊的な紛争から世界が立ち直れるように希望を取り戻すことで持続可能な変化をもたらすことが可能になる」として、「Create hope in the world(世界に希望を生み出そう)」とテーマを掲げられました。

また、中野博美ガバナー(京都RC)は、スローガンを「個性・基本・求心力」とされ、クラブの個性を大切にして、奉仕と親睦を基本とし、求心力を以て活動することを目標にするとされています。

 

私は「奉仕への思いを高く次世代へ 和して流れず楽しくロータリー」としてみました。先輩諸氏が70有余年、営々と培ってこられた奉仕への思いを次世代につなげ、互いに和して協調しながら、流されることなくロータリーを楽しみましょうというものです。そうすれば、自ずと伝統と品格を保った奈良RCの特性が発揮されるだろうと思います。

ロータリーの徽章は車軸がモチーフで、活動の輪が次々に広がっていく様を表しているそうですが、私はこれを球体と捉えたいと思います。球体はあらゆる方向に転がりますが、その接地点は常に1つです。1人のロータリアンは全ロータリーを代表して他と接しています。全体の中の1人ではなく、1人の中に全体がある。奈良RCの会員1人1人が何物にも代えがたい存在として各々の頂点であり、奉仕という役割で他と関わっている。そういう組織でありたいと思います。

 

具体的な方針としては、

  1. 活動の基本は例会にあります。例会がより楽しく、居心地の良い空間として機能し、自己研鑽や奉仕活動への活力の源になればと思います。その為にもクラブ内の一層の和合を諮り、会員同士の親睦を更に深めるあり方を模索します。
  2. 社会奉仕事業として、コロナ禍などで精神的に疲弊した人々が増えている中、特に若い人へのメンタルヘルスに関する事業を展開します。
  3. 昨年度に続き「奈良市国際交流出前講座」を協賛事業として継続します。県内の留学生が市内の小中学校を訪問し、自国の生活や文化などを紹介するもので、子供たちにとって異文化体験の絶好の機会であり、また、留学生にとっても日本の子供たちと触れ合う良い学びの場となっています。RIが推奨する他組織との協働でもあり、ロータリーの国際理解や親善にもつながるものです。
  4. 2019年の規定審議会でローターアクトの地位向上が諮られ、RIへの加盟が認められました。ローターアクトがロータリークラブの下部組織ではなく、同等の組織となったことで、より一層連携を深めて青少年奉仕の事業を進めます。
  5. 今年度、中本ガバナーエレクト事務所が開設され、松山幹事長予定者を初めとする幹事団が結成されました。中本ガバナー年度に向けての活動を活発化すると共に、クラブ運営に支障を来さぬよう努めます。
  6. 会員増強に努め、公共イメージを高めることも大事な視点ですが、奈良RCの大きな持ち味は、それぞれの委員会が過不足なく機能していることだと思います。何よりロータリーを楽しむゆとりをもって、自然体でこの一年を過ごしてまいりたいと思います。会員の皆様のよろしきお引き回しをいただき、惰性の一年とならぬよう心して精進いたします。