財団奨学金・平和フェローシップ委員会

一般の方向け

RI2650地区グローバル奨学生からのメッセージ[山下 哲史さん]

山下哲史さん

所属 :京都府立医大 小児科医師

留学先: 米国ワシントンD.C.国立ワシントン小児病院 2019年6月より2年間留学

研究内容:疾病予防と治療

支援クラブ:京都洛北ロータリークラブ

 

近況報告 (2022.3.27)

ロータリーの皆様のご支援で、米国の国立ワシントンDC小児病院で、こどもの脳の病気を研究しています。

テーマの一つとして、胎児アルコールスペクトラム障害(Fetal AlcoholSpectrum Disorder:FASD)に取り組んでいます。妊娠中のアルコール摂取は、胎児期の脳に影響をあたえ、生後に発達の遅れなどの症状があらわれます。FASDの発生は、日本に比べ米国で多いことがわかっています。

どのようにしてアルコールが胎児期の脳に影響をあたえるのか、どうして妊娠中のアルコール摂取がおきるのか、どうすればFASDのこどもたちと家族をサポートできるか。地区の小学校には約30か国のナショナリティのこどもたちが集まる多様な社会で生活しながら、日々このことを考え、そして、ロータリーがかかげる7つの重点分野が非常に大切であると感じています。疾病に対する十分なケア、きれいな水、母子の健康、教育の充実、支える地域社会の経済発展、環境の保全、これら取り組みは紛争の無い平和へとつながり、そしてFASDへのサポートも達成されます。

グローバル奨学生として母国日本を離れ、多様な文化の中に身を置き、今までの日本での生活を振り返りつつ、研究に打ち込むことで、これら7つの分野の重みを、肌感覚として持ちました。今後、この経験を大切にし、脳の病気のこどもたちの医療と研究のフィールドから、世界中の人々のために、歩んでいければと思っています。

留学先からのビデオレター link

Satoshi Yamashita, M.D., Ph.D.

Postdoctoral Research Fellow,

Center for Neuroscience Research,

Children’s National Hospital