グローバル奨学生:長谷川 奏恵
支援クラブ: 福井北ロータリークラブ
留学国・留学先機関: 米国・バンダービルト大学病院循環器内科
受入ロータリークラブ :ナッシュビルサンセット ロータリークラブ
『留学して一年半経過して』
致死性不整脈の診断と治療を学ぶために渡米しました。
非常に多くの症例の治療見学とともに、データ解析を行っております。
アメリカの生活にも慣れ、生活パターンもつかめ、また研究の進みも徐々に加速された2年目の生活を送っております。
国際共同研究にも参加せてもらい、さまざまな先生との交流を広げ、さらに日本の施設との共同研究も開始し、zoomで研究相談をしつつ学んでいるところです。
研究をすすめながら、学会での発表とともに、論文を執筆、投稿している状態です。
多大なご指導を受けつつ、日々、このような環境で研究させていただいていることに感謝しています。
ロータリークラブの集会が月曜日の午後開催され、いままではそれらもzoomで開催されていたり、また月曜日は朝から夕方まで長い治療が入ることが多いので、なかなか参加しにくかったです。今年になり、ようやく現地での集会にも参加させていただくことができました。環境問題に取り組む講演をお聞きしたり、またToastmastersの紹介や話し方について教えていただく機会がありました。どれも今まで知らないことばかりでしたが興味深い内容でした。残りの期間あと半年程度ありますので、もっと積極的に参加したいと思っております。
一時体調を崩し、病院にかかろうとしましたが、日本と医療へのアクセスが全く異なり、初めての受診のため、まずはプライマリーケアに受診するのに予約を取ろうとしたところ、3か月待ちということになり、ウオークインでいけるクリニックは救急対応してくれるくらいで検査や治療まではしてくれないということでした。ご指導いただいている教授に状態を説明し、早く受診したほうがいいだろうということで、バンダービルト大学病院の専門外来に直接受診できるように交渉してくださり、病院受診することができました。外来の受診と血液検査、胸部レントゲンで2000ドルということで、そこから入っている医療保険によって支払い料金が後日お知らせされました。その後体調は改善し、通院治療を要することはありませんでしたが、アメリカで生きていくのはかなり大変なんだろうと思ったのと、日本のような、全国どこにいても、誰でも、何か月も待つことなく、また医療費を心配することなく、高水準の医療が受けられる国は本当に恵まれていると患者の立場から再確認しました。アメリカでの外来受診は、大変システム化されていました。余裕を持った予約患者の受け入れのためか、待ち時間は5分程度で、外来の待合室や診察室は広くゆとりが感じられ、静かでした。まずは診察室に通され、その場で看護師が病歴などを聴取し、その後に医師が診察室に入ってきて、再度病歴の確認、診察を行い、検査のオーダーをして、結果がすぐ出るものだけの検査結果を説明して診察終了です。検査結果は後日、事前に登録してあるメールアドレスに、結果が出たから病院のネットシステムにアクセスすること、医療費はどのくらいなどお知らせのメールが送られ、医師からの連絡事項や検査結果、今後の方針を含めてそのシステムを通して確認することができました。検査結果を聞くために外来受診する必要がなく、またそれは、医療者側の負担も軽減されることにつながります。日本にはないシステムだと思いました。
日本での、外来の混雑具合は常で、院内では医療従事者を含めてすべての人が、いつも慌ただしく動いている感じがあります。本当に必要な医療を必要な人が適切に受けられるように、また医療を受けなくてはならなくなる前の予防にももっとしっかり取り組み、限りある資源(ひと、もの、かね)を考え、医療を実践していくことが重要だと思いました。高齢化がますます進み、また地方での医師不足が深刻であり、それでも今のような高度な質を保った医療を可能にするために、今一度考える必要があると思いました。帰国後、循環器疾患、特に不整脈の治療にだけ目を向けるのではなく、そのような大きな視点で仕事をしていくことができたらいいと思いました。
アメリカで生活する中で、アメリカ独自のイベントにも参加することができ楽しんでいますアメリカで研究留学させていただく機会をいただき、またそこでの生活をすることは、非常に刺激的で、この経験は生涯の財産になると思います
このような機会をいただきロータリークラブには感謝申し上げます。