「乗って残そう越美北線」交流事業　 – 福井東ロータリークラブ

◆　「乗って残そう越美北線」交流事業・合同例会

・企画

北陸新幹線開業により地域への観光客の流入に伴い、福井駅を起点とした二次交通の重要性が増してきた。しかしながら、地域住民の脚としての地域交通は人口減により存続が危ぶまれている。特に福井市と大野市を結ぶ越美北線は、これまでも赤字路線として存続が厳しい状態にある。今回両市のクラブとして福井東ロータリークラブと大野ロータリークラブの会員が実際に列車に乗り、沿線の景観や観光スポットの魅力を確認し話し合い、市民に越美北線の利用を呼び掛ける機会とする。

・準備段階

創立20周年にクラブ先人が行った「乗って残そう京福電車」合同例会事業を改めて温め直し、創立50周年の記念事業として計画した。両クラブだけではなく、所管のJR西日本福井駅や行政体として福井市並びに大野市に協力を求めた。都度の打ち合わせを通して、地域住民としての両クラブ会員と運営体そして行政の間のネットワークが構築でき、当日の実施に繋げた。

・事業内容

【出発式】　JR福井駅にて開催、越美北線乗車

福井東ロータリークラブ　林会長　開催趣旨説明と挨拶

福井市　西行市長　ご挨拶とお見送り

JR福井駅　阪下駅長　ご挨拶

会員が列車に乗り込み、越美北線支援の会会員と伴に沿線を観察

【到着式】　JR越前大野駅にて開催、越美北線下車

大野ロータリークラブ　青木会長　受入れの挨拶

大野市　石山市長　お迎えのご挨拶

【合同例会】　大野市文化会館　鳳凰の間

福井東RCと大野RCの合同にて開催

卓話　　「越美北線の過去、現在、そして未来へ」　JR西日本　阪下福井駅長

卓話内容:越美北線は福井と岐阜を繋ぐ列車として計画されたが、福井・大野間のみの運営となった。地域住民の貴重な脚としての役割を果たしてきたが、現在は人口減にて赤字路線となっている。存続に関しては、この地域が多雪地帯であるため、道路が運用できない大雪時に地域が孤立するのを防ぐという名目で行われている。しかし、財政状況を考えると両市民や観光目的の乗客が増大しない事には、永続は厳しい局面を迎える。「乗って残そう」という市民の熱意が求められている。

・事業成果

北陸新幹線の開業より1周年が経ち、地域に多くの観光客が訪れるようになった。このため新幹線福井駅より各地域を結ぶ二次交通の重要度が増してきた。しかし、福井市から一乗谷朝倉氏遺跡さらに奥越の大野市を繋ぐJR越美北線は、人口減少に相まって存続が危惧されてきている。福井東ロータリークラブでは創立50周年の記念事業として「乗って残そう越美北線」をスローガンにこの問題に取り組んだ。過去に廃線の危機が叫ばれた京福電車を「乗って残そう京福電車」と呼び掛け、運動を展開したクラブ先人の過去の事業を温め直した。現在、恐竜の街勝山市と福井市を結ぶえちぜん鉄道として発展運営されている。

今回はまず大野ロータリークラブとの協働を呼び掛け、運営体のJR西日本さらに行政体としての福井市、大野市に協力を呼び掛けた。これにより地域住民である両クラブの会員を中心として、新たなネットワークが構築された。二次交通の問題は、行政も重要視している課題であり市民の協力無くしては解決が導かれない。今後も予算措置を含めて、越美北線を支援していくことが確認された。大野市民にとっては日々の通勤・通学の脚であり、豪雪時には物流を担う大切な鉄路である。そして実際に沿線を観察したクラブ会員は、この沿線の歴史や観光の魅力を肌で感じる事が出来た。両クラブの合同例会ではJR福井駅長の阪下氏より現状の説明はもちろん、まちの発展の為にも交流人口の増加が必要と提言された。これに向け、両市の越美北線支援の団体との輪を広げて市民への理解促進と利用増、また増大する観光客に利用してもらえるように魅力発信をしていく必要性が話し合われた。地域の課題に取り組み、人とまち、そしてコトを繋げる新たな奉仕活動として、今後も連携していく事を誓った意義深い事業となった。