京都西南ロータリークラブ

2024-25年度 中本勝ガバナー【ガバナー賞応募事業】

「Farewell Concert 2025」—中学3年生に贈る、最後の思い出の舞台

プロジェクト名
「Farewell Concert 2025」—中学3年生に贈る、最後の思い出の舞台
実施期間
2024年07月01日〜2025年03月28日
実施場所
京都コンサートホール
応募部門/事業
「より大きなインパクト」を与えた事業 「参加者の積極的なかかわりを促した」事業

2025年3月28日、私たちロータリークラブは「Farewell Concert 2025」という特別な事業を開催しました。このコンサートは、ただの音楽イベントではありません。そこには、未来を担う若者たちへの深い想いと、地域社会への温かなまなざしが込められていました。

きっかけは、一般社団法人 京都未来芸術アカデミーが毎年1月に開催している「京都未来芸術祭 New Year’s Concert2025」でした。この素晴らしいイベントは中学生を対象としていますが、開催時期が1月であるため、受験を控えた中学3年生は参加できません。私たちは、この現実に心を痛めました。中学生活の集大成ともいえるこの時期に、3年生だけが最後の発表の場を持てない――その事実に、何とか手を差し伸べたいと強く感じたのです。

「中学3年生に、仲間とともに最後の思い出を作ってほしい。部活動の締めくくりとして、心に残る発表の場を用意したい。」そんな願いから、このコンサートの企画が始まりました。京都未来芸術アカデミーの皆様と何度も打合せを重ね、単なる資金提供にとどまらず、企画立案から運営まで、クラブ会員一丸となって取り組みました。当日は受付や案内なども自ら手伝い、参加する生徒やご家族の皆様を温かく迎え入れました。

また、参加した中学生たちにとって、この日が特別な記念となるよう、クラブ会員の印刷会社が心を込めてオリジナルノートを制作しました。さらに、懇親会で振る舞うお菓子は、例会前に会員全員で袋詰め作業を行い、手作りの温もりを添えました。こうした細やかな準備の一つひとつに、子どもたちへのエールと感謝の気持ちを込めました。

コンサート当日、舞台に立つ生徒たちの表情は、緊張と期待に満ちていました。演奏や合唱が終わるたびに、会場からは大きな拍手が沸き起こり、子どもたちの目には達成感と喜びの涙が光っていました。コンサート後には、学校の垣根を超えた交流が生まれ、卒業を控えた生徒同士が互いの健闘を称え合う姿が見られました。保護者の方々からも「子どもたちにとって一生の思い出になりました」と感謝の言葉をいただき、私たち自身も胸が熱くなりました。

この「Farewell Concert 2025」を通じて、私たちは地域の子どもたちに「最後まで仲間とともに挑戦する喜び」と「支えてくれる大人たちがいる安心感」を伝えることができたと感じています。ロータリークラブの奉仕の精神は、こうした小さな積み重ねの中にこそ息づいているのではないでしょうか。

今後も地域の未来を担う若者たちのために、私たちができることを一つひとつ実現していきたいと強く願っています。今回の事業が、子どもたちの心に残るだけでなく、地域全体の温かなつながりを生み出すきっかけとなったことを、心から誇りに思います。