- プロジェクト名
- 男山自然観察会及び国宝石清水八幡宮周辺の環境保全
- 実施期間
- 2023年07月18日〜2024年04月21日
- 実施場所
- 石清水八幡宮境内及び男山周辺
- 応募部門/事業
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先人の良いアイデアを前進させる部門
- 「健康」をテーマにした事業
当クラブは、石清水八幡宮境内にある清峯殿を例会場にして活動しております。石清水八幡宮の鎮座する男山は、京都府歴史的自然環境保全地域第一号にも指定され、四季折々の草花が咲き乱れ、春夏秋冬を通じて自然を感じられる素晴らしい所です。
参拝者の多くは、毎日の健康の為に男山山上にある石清水八幡宮まで徒歩で参拝に訪れ、森林浴を楽しみます。
そんな折、参拝者の方から「この樹木の名前は何ですか?」と聞かれる出来事がありました。境内には、銘板の付いている樹木もありますが、銘板の付いてない樹木も多くあり、そこで「銘板の付いていない樹木にも銘板を付け、参拝者の方に、より深く男山の自然に親しんでもらったらどうか」という思いが湧いてきました。
17年前、当クラブの社会奉仕事業として、自然観察会を行い、途中石清水八幡宮境内の樹木に銘板を設置して回りました。その時に設置した銘板も時の経過とともに老朽化が激しくなり、今年度、銘板の新規設置、木杭取り換え、既存銘板清掃の実施、および自然観察会を開催することを決定いたしました。自然観察会には、八幡市内の小学校に参加者を募り、八幡市の広報にも掲載し広く一般の方にも参加を呼びかけることにしました。
まず、会員の自然に対する造詣を深めるために、例会の中の卓話で、樹木や八幡の自然に関する勉強会を行いました。いろいろな分野で植物に精通されている方を講師に招き、計5回の勉強会を開きました。勉強会には、自然の中で活動するボーイスカウト綴喜第1団 副団委員長様にもスピーチに来て頂き、ボーイスカウトの理念や考え方、構成や活動の仕方なども勉強しました。このお蔭で、今回の事業にボーイスカウトの青少年、育成者の方々に多数参加いただき、ロータリー活動の輪を広げることにも成功いたしました。
一方、想定外の事態も起こりました。石清水八幡宮が国宝の為、本殿周辺、境内や男山全ての銘板設置作業に細かい申請が必要となりました。新設の銘板はもちろんの事、取り換えの杭の材質や色、杭を打ち込む場所においても指示があり、銘板を設置する場所が広範囲に及ぶことから本数も多く、申請手続きに大変時間を要しました。ようやく申請が通り、八幡市文化財保護課から連絡を頂いた時の喜びは一入です。申請にご尽力いただきました八幡市文化財保護課の方々には大変お世話になり、ありがとうございました。
このような経緯を経て、2024年4月21日(日)に「男山自然観察会及び国宝石清水八幡宮周辺の環境保全」が石清水八幡宮境内で開催されました。当日は小雨が降る中ではありましたが、総勢27名の参加者(小学生、ボーイスカウト含む)が集まってくれました。京都府立植物園 副園長 肉戸裕行先生に自然観察会の講師としてお越し頂き、男山周辺及び、石清水八幡宮境内の自然観察会を行いました。専門家に案内していただきながら観察をしますと、今まで見たことのない珍しい木や草花に出会えます。1つ紹介させて頂きます。「ウラシマソウ」です。(写真有)浦島太郎が魚釣りをしているように見える事からこの名前がついたそうです。肉戸先生が驚いていましたが、今回の自然観察会を通じて、本来絶滅しているような樹木や京都府南部では見られない樹木など新たな発見もあったそうで、大変有意義な観察会となりました。
自然観察をしながら、道中にある銘板だけでなく他の看板や案内板の清掃活動も忘れずに行いました。
散策の後は、参加者全員で植物図鑑に挟める「しおり」作りをしました。しおりの材料は、石清水八幡宮境内に植えられているタラヨウの葉です。タラヨウの葉は、葉の裏に竹串など尖ったもので文字を書くと、書いた文字が黒く浮き上がります。それで昔はタラヨウの葉を葉書として利用していたとのことです。参加者の皆さんは、世界に一つしかない自分だけのオリジナルのしおりを作成しました。ちなみに、植物図鑑は参加者の皆さんが引き続き植物に興味を持ってもらえるようにとの想いを込めて、参加者の皆さんにお渡しした参加賞です。
この事業を通して、改めて自然の大切さを感じました。この男山の自然がこれからも長きにわたり続く事を願い、守ることの大切さを学びました。
京都八幡ロータリークラブは小さなクラブですが、少ない人数だからできる仲の良さを強みに奉仕事業に取り組んでいます。自然豊かな石清水八幡宮境内にある例会場に一度お越しください。素晴らしいロケーションと健康に良い森林浴がもれなく付いてきます。
自然観察会
珍しい草花の発見
ウラシマソウ
タラヨウでの栞作り
看板清掃