鯖江ロータリークラブ(福井県)の3月8日の第2885回例会では、ゲストスピーカーに、福井県眼鏡工業組合理事長・福井県眼鏡協会副会長 株式会社ボストンクラブ 代表取締役 小松原 一身 様をお迎えして「「めがねのまち さばえの未来について」のテーマで卓話をいただきました。
めがね産業が1905年にスタートしてから114年。出荷額で見ると2000年(1200億出荷)をピークに現在約半分(600億出荷)となっているのが現状とのこと。鯖江のめがね産業従事者も全盛期には1万人ぐらい。今現在5,308人、531か所で、6人に1人がメガネ産業に従事している現状。
1980年代初めに産地はチタン材でめがねを作る事に成功。そこから産地も一気に拡大し、2000年迄は景気の良い時代が。しかしその後は右肩下がり。そして現在、めがねは視力矯正のメガネ道具からファッションアイテムに変化。
行政では2009年に「東京ガールズコレクション」に鯖江市が元気再生事業の一環として、市内のめがね業者が有名アパレルブランドと共同製作した新作めがねを発表。…
そのお陰で知名度も上がり、福井から来たというよりも、「めがねのまちさばえ」から来ましたと言った方が分かっていただけるようになっているとのこと。
今までは良いものを作ると売れる時代。しかし価格破壊が起こり多くの企業が生産拠点を中国に移し国内では受注が激減。
限られた素材の中で、付加価値の高い・価格競争の無い・世界でプレミアムな物作りが重要。
そんな中、ボストンクラブ様では、京都の西陣織メーカー(カーボンと着物の糸を織っている)とコラボして西陣織カーボンフレームを開発されました。
高くても気に入って、生涯長く使う時代になり、付加価値が大事な時代となっているそうです。
今後、産地が生き残っていくためには、伝統と革新(メガネの技術を横展開:楽器・医療器具・精密パーツ・家電)めがね作りのノウハウと精密加工技術をイノベーションするのが大事とのことでした。
今回は会員一同、めがね産地の歴史や現状、今後の課題などについて改めて学ぶ貴重な機会となりました。
小松原様、大変お忙しい中、誠にありがとうございました。ますますのご健勝とご活躍を心からお祈りしております。