卓話
尺八演奏とトーク 木村幽月氏
1 江戸時代の尺八は虚無僧が法器として使用したもので、武士でなければ持つことが許されなかった。ちなみに虚無僧は大阪落城後の浪人対策として江戸幕府が様々な特権を与えた普化宗の徒である。
2 明治以降は虚無僧制度が廃止され、尺八は楽器として誰もが演奏できるようになった。現在では日本よりも海外の方が尺八人口が多いともいわれており、国内でも女性奏者が増えている。
今回は虚無僧が吹いていた曲のほか、楽器としての特性を生かしていくつかの曲を演奏された。
演奏曲目
① 本手調子 神社などで虚無僧が献奏する場合、最初に演奏する曲
② ハッピーバースデー(尺八伴奏で誕生祝いを全員で歌唱)
③ シューベルトの子守歌(フルートのような音で演奏)
④ オールドブラックジョー
⑤ 里の秋
⑥ 正調追分節
⑦ 大和調(虚無僧が大和の地で吹いていたといわれている)
⑧ コンドルは飛んで行く
日頃なじみ少ない尺八の澄んだ音色で心が洗われ落着きをもたらしたと、会員から好評を得た。
(西峯清茂 記)